NXPとDAFトラック、トラックの隊列走行を新たな次元に:人間の30倍の反応速度を実現へ
DAFトラック、シーメンス、ホンダの各社、さらに進化したセキュアなV2Xをelectronica 2016でライブ路上デモ
- NXPとDAFトラックはミュンヘン市内で、交通の流れを大幅に改善するために、トラック隊列の位置に基づいて交通信号を自動的に適応制御する、インテリジェント交通信号(シーメンス製)を使用したトラック隊列走行のデモを実施しました。
- EcoTwinトラック隊列走行プロジェクトのメンバーであるRicardo、TNO、NXP、DAFトラックは、隊列走行するトラックの車間距離を2017年にさらに40パーセント短縮するための研究に取り組んでいます。
- 隊列走行は最大10パーセントの燃料効率向上、道路交通の安全性の向上、CO2、PM、NOXなどの排出低減を可能にします。
- NXPは、ホンダ、シーメンス、Marben、Cohda Wireless、Chemtronicsとともに、安全性向上を目的としたオートバイの検知/警告など、セキュアなV2Xの使用例のライブデモをミュンヘンで実施しました。アイントホーフェン大学がNXPのセンサ・フュージョンを使用して製作した自動運転車もライブデモで紹介されました。
NXP、DAFトラック、TNO、Ricardoはすでに、車間間隔が0.5秒という画期的なトラック隊列走行に成功しています。高性能のカメラとレーダー・システムを備え、V2X技術により無線接続されたトラックは、時速80kmで隊列走行を行い、支障なく11mの車間距離を維持できました。このコンソーシアムは現在、トラック間の最低車間距離の40パーセント短縮に取り組んでいます(0.3秒、時速80kmで車間距離7mに相当)。そのために、隊列走行システムは人間のドライバーの30倍の速さで信頼性の高い反応を行える必要があります。これにはトラック間でミリ秒単位の無線通信が求められます。
こうした画期的な成果を実現するのは、安全性を向上する技術のさらなる強化です。
- 強力なセンサ・フュージョンと制御システムの統合により、外部の障害や内部の異常システム挙動が発生した際にも、機能安全を確保した形で、隊列走行/運転モードの生成、監視、維持が可能になります。異常発生時でも、隊列のフェイルセーフなオペレーションが確保されます。
- 安全性を保ちながら車間距離を短縮するために、システムは高い機能安全レベルでの動作が必要になります。これはASIL(「機能安全」)に準拠したマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、パワーマネジメントIC、ネットワーク部品などのNXPの部品により実現可能です。こうしたシステム開発の基礎となるのは、前述の部品の大部分を統合したNXPのBlueBoxプラットフォームです。
- 強化されたレーダーは路上の障害物(割り込み車両など)を迅速かつより高精度に検知し、トラック間の車間距離をシームレスに調整します。このため、NXPはelectronica 2016で新しい高性能レーダー用マイクロコントローラを発表しました。
DAFトラックのプロダクト・デベロップメント担当ディレクターのRon Borsboom氏は「隊列走行の反応速度を人間の30倍に速めることは、簡単には実現しない極めて困難な課題です」と述べ、さらに「その実現に必要な研究開発課題はまだ多数存在していますが、2017年をめどに反応時間を改善した技術のデモを実施する野心的な計画に向けて、私たちはNXPと協力しています」と語りました。
NXPのオートモーティブ部門最高責任者のKurt Sieversは「私たちはスマート・トランスポーテーションのパートナーとともに、NXPのRoadLINK™ソリューションに基づくセキュアなV2X通信に関して、世界各地で延べ100万日を超える試験を実施してきました」と述べ、さらに「私たちの試験は、すでに量産車への採用が始まっているRoadLINKが高い成熟度と強力なセキュリティ・レベルを実現していることを示してきました。DAFトラック社、シーメンス社、ホンダ社、その他のパートナーと実施した今日のデモは、道路利用者間の超高速でセキュアなダイレクト通信の持つパワーを改めて裏付けました」と語りました。
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