NXPとeSSys、韓国政府のパイロット・プロジェクトでインテリジェント交通技術を提供

NXPとeSSys、韓国政府のパイロット・プロジェクトでインテリジェント交通技術を提供

NXP、韓国の次世代インテリジェント交通システム(C-ITS)プロジェクトに対し、セキュアな車車間/路車間(V2X)通信向けRoadLINKチップセットを供給

NXPセミコンダクターズN.V.とeSSysは、両社が韓国の国土交通部が推進する韓国の次世代協調インテリジェント交通システム(C-ITS)プロジェクトの技術パートナーになると発表しました。NXPはeSSysに対して、車車間/路車間(V2X)通信とセキュリティ・ソリューションであるRoadLINK V2Xチップセットを提供し、世宗市(行政中心複合都市)と大田市間の87.8kmのルートでテスト運用が行われます。パイロット運用の期間は1年間で、開始は2016年7月です。

韓国では現在、平昌で開催される2018年冬季オリンピック会場へのアクセスのための主要高速道路を含め、複数の高速道路でさまざまなスマート交通技術が採用されています。NXPとの協力のもと、新たに導入されるC-ITSの基本的な差別化要因となっているのが、車と車(車車間:V2V)のほか、道路工事、交通表示板、交通信号などの周囲のインテリジェント・インフラと車(路車間:V2I)の間のセキュアなリアルタイム情報通信機能です。

V2X対応乗用車の性能と高速応答時間の組み合わせにより、曲がり角の周囲やドライバーの視界に入るかなり前の段階での交通障害物の先の「可視化」が実現し、交通の流れの大幅な改善とCO2排出の低減が可能になります。韓国の警察庁によると、交通事故による死者は毎年5,000人以上、負傷者は30万人強に達しています。さらに、交通渋滞によるコストは毎年250億ユーロにのぼっています。韓国交通研究院はC-ITS計画の完全な導入により、総道路事故数の76パーセントの回避が可能になると推定しています。

eSSysのCEOのYong-beom Kim氏は「韓国に拠点を置く車載電子システムのプロバイダとして、eSSysは自動車メーカーやTier 1サプライヤに対し、高効率と最適な性能を組み合わせた通信モジュールを提供しています」と述べ、さらに「NXPの定評のあるRoadLINK V2XチップセットをベースとしたeSSysのWAVE通信システムは、韓国の国家的なC-ITSプロジェクトで主要な役割を果たすと期待されています」と語りました。

NXPのRoadLINK V2X通信/セキュリティ技術は、自動運転車とマクロな交通管理の継続的開発と進化に不可欠な役割を果たします。近接する車両間の速度、位置、方向に関する情報の無線通信が可能になるとともに、車両とインフラ間の局地的な速度制限、交通信号、道路工事警告、危険箇所などの交通管理データや危険データの通信を可能にします。RoadLINKのセキュア・エレメントは運転者のプライバシーを保護し、ハッキングや不正操作を防止するチップセットの不可欠な要素となります。

NXPのオートモーティブ・ビジネス・ユニットの最高技術責任者のLars Regerは「NXPの実証済みのRoadLINK V2Xチップセットが、韓国の国土交通部による次世代インテリジェント交通システムに選定されたことを誇りに思います」と述べ、さらに「私たちの先進的なインテリジェント交通技術は韓国の道路上での死傷事故の低減、交通の流れの改善、交通の総体的な利便性向上に貢献します。ソフトウェア・デファインド・ラジオ技術をベースに、私たちのハードウェア・プラットフォームは韓国のV2X標準や世界の地域的な各種標準の大半をサポートすることが可能になります」と語りました。

NXPのRoadLINK技術の強みは、世界のさまざまなプロジェクトにおける延べ100万km超のテストで実証されています。今年、NXPは米運輸省と協力し、全米規模の権威ある「スマート・シティ・チャレンジ」の優勝都市であるオハイオ州コロンバス市に対し、インテリジェント交通技術を提供しました。また、今年4月の「欧州トラック隊列走行計画」では、NXPはオランダのインフラストラクチュア・環境省による欧州規模の公道での自動運転デモを成功裏に完了しました。NXPのV2Xとレーダー技術がDAF社のトラックと、6つのOEMトラック隊列のうち4つに採用されました。NXPのRoadLINK技術は来年、米国の量産車にも実装される予定です。

NXPセミコンダクターズについて
NXPセミコンダクターズは、よりスマートな世界を実現するセキュア・コネクションとセキュア・インフラを可能にし、人々の生活をより便利に、より良く、より安全にするソリューションを推進しています。組み込みアプリケーション向けのセキュアなコネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXPは、セキュアなコネクテッド・ビークル、エンド・ツー・エンドのセキュリティ/プライバシー、スマートなコネクテッド・ソリューションの市場における技術革新をけん引しています。60年以上にわたって蓄積した経験と技術を活かし、NXPでは世界35か国強で4万4,000名の従業員が活動しています。2015年の売上高は61億米ドルでした。詳細はWebサイトhttp://www.nxp.com/ja/(日本語)をご覧ください。

NXPセミコンダクターズジャパンはNXPセミコンダクターズが開発および製造する車載、認証、インフラ/産業機器、コンシューマ向けのハイパフォーマンス・ミックスドシグナル製品やプロセッシング・ソリューション、高出力RFおよびスタンダード製品などを日本市場に提供しています。本社は東京都渋谷区で、大阪および名古屋に営業所があります。

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リリース日

2016年8月1日

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