NXP、IoT機器の性能とセキュリティを向上する次世代Kinetisワイヤレス・マイクロコントローラを発表

Bluetooth 5、Thread、Zigbeeをサポートし、コンシューマ/産業IoT機器のセキュリティ強化を実現するデュアルコア搭載のシングルチップMCU

現在、多くの機器がホスト・マイクロコントローラ(MCU)の無線接続を必要としており、これにより、サイズと複雑さが増大するとともに、設計、ソフトウェア開発、購買、供給計画、ロジスティクスの複雑さもさらに増しています。NXP Semiconductors N.V.は広範なエッジ・コンピューティング・ポートフォリオの新製品として、より強力でセキュアなデバイスとなる次世代Kinetis MCUのK32W0xワイヤレスMCUプラットフォームを発表しました。K32W0xプラットフォームは先行モデルに比べ性能向上、機能追加、セキュリティ強化を図り、IoTの進化に対応します。新プラットフォームはデュアルコア・アーキテクチャと組み込みマルチプロトコル無線通信を統合した初のシングルチップ・デバイスで、IoT製品デベロッパーに対し半導体、ソフトウェア、イネーブルメント、サポート、購買の一括提供を可能にし、機能とセキュリティの向上と同時に、製品の複雑さ、サイズ、コストを低減します。

NXPの次世代Kinetis MCUの初の製品として、K32W0x MCUプラットフォームはホストとワイヤレスMCUを1個の小型デバイスに統合しており、通常はサイズが大きく高コストの2チップ・ソリューションを必要とする高性能アプリケーションの小型化を可能にします。ウェアラブル、スマート・ドアロック、サーモスタットやその他のスマートホーム機器などのコンシューマ機器や、多くの広範なヘルスケア、商用、産業IoTアプリケーションに対し、K32W0xワイヤレスMCUプラットフォームはマルチプロトコル無線通信と堅牢な性能を提供します。

K32W0xワイヤレスMCUプラットフォームの主な特長

  • デュアルコア:高性能アプリケーション・プロセッシング向けのArm® Cortex®-M4コアと、低消費電力コネクティビティ/センサ・プロセッシング向けのCortex-M0+コア
  • 大容量メモリ:フル機能アプリケーションやコネクティビティ・プロトコルをサポートする1.25MB Flashと384kB SRAM
  • マルチプロトコル無線通信:Thread IPベース・メッシュ・ネットワーキング・スタックとZigbee 3.0メッシュ・ネットワーキング・スタックを含むBluetooth 5とIEEE® 802.15.4をサポート
  • Bluetooth 5を介したiCloudによるHomeKitサポート

よりセキュアなIoT機器

今日のIoT機器の多くが、ネットワークのセキュリティ侵害の脅威に対する保護として必要なレベルのセキュリティ機能を備えていません。IoT機器とそのデータの機密性、整合性、真正性を確保するK32W0xプラットフォームは、こうした進化する脅威に対する保護を第一の目的としています。

K32W0xのセキュリティ・システムのセキュリティ機能

  • AES、DES、SHA、RSA、ECCなどの暗号化、署名、ハッシング・アルゴリズムのための専用コア、インストラクション、データ・メモリを搭載した暗号化サブシステム
  • センシティブなセキュリティ・キーの保存と保護のためのセキュアな鍵管理
  • セキュリティ侵害や物理的改ざんの発生を検知した際にセキュリティ・キーなどの暗号化サブシステム・メモリを消去
  • アクセス制御、システム・メモリ保護、ペリフェラル分離のためのリソース・ドメイン・コントローラ
  • 権限を持つ認証済みコードのみをデバイスで確実に動作させる内蔵セキュア・ブートとセキュアなOTA(over-the-air)プログラミング

K32W0x MCUプラットフォームのオンチップ・セキュリティ機能を拡張するため、NXPは生体認証のリーダー企業であるB-Securと協力し、個人によって異なる心臓の鼓動パターン(心電図:ECG)を使用してIDを検証するシステムを開発しました。これにより、個人の指紋や声を使用する場合と比較してよりセキュアなシステムが実現しました。NXPはこの革新的な技術のフル・デモンストレーションを2月27日から3月1日までドイツのニュルンベルクで開催されたEmbedded World 2018(ホール4A、ブース220)で実施しました。

製品名 Bluetooth 5 Thread Zigbee 3.0
K32W042 x x x
K32W032 x
K32W022 x x

K32W0x MCUプラットフォームは現在サンプル出荷中で、量産開始は2018年第3四半期後半の予定です。詳細については、NXPの営業所にお問い合わせください。

NXP、Embedded World 2018にエッジ・コンピューティング・ソリューションを出展

NXPは2月27日から3月1日までドイツのニュルンベルクで開催されたEmbedded World 2018(ホール4A、ブース220)に、インテリジェントなエンドノード、コネクテッド・カー、産業システム向けの最新ソリューションを出展しました。

NXP Semiconductorsについて

NXP Semiconductorsは、よりスマートな世界を実現するセキュア・コネクションとセキュア・インフラを可能にし、人々の生活をより便利に、より良く、より安全にするソリューションを推進しています。組み込みアプリケーション向けのセキュアなコネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXPは、セキュアなコネクテッド・ビークル、エンド・ツー・エンドのセキュリティ/プライバシー、スマートなコネクテッド・ソリューションの市場における技術革新をけん引しています。60年以上にわたって蓄積した経験と技術を活かし、NXPでは世界30か国強で3万名を超える従業員が活動しています。2017年の売上高は92.6億米ドルでした。詳細はWebサイトhttp://www.nxp.com/jp/ (日本語)をご覧ください。

NXPジャパンはNXP Semiconductorsが開発および製造する車載、認証、インフラ/産業機器、コンシューマ向けのハイパフォーマンス・ミックスドシグナル製品やプロセッシング・ソリューション、高出力RF製品などを日本市場に提供しています。本社は東京都渋谷区で、大阪および名古屋に営業所があります。

NXP、NXPロゴはNXP B.Vの商標です。他の製品名、サービス名は、それぞれの所有者の商標です。Arm、CortexはArm Ltd.またはEU/その他の地域における子会社の登録商標です。All rights reserved. © 2018 NXP B.V.

リリース日

2018年3月2日

お問い合わせ

増田 清美
Tel: 050-3823-7031
kiyomi.masuda@nxp.com