NXP、インダストリアルIoT向けに先進的なTSN対応SoCを発表

Time-Sensitive Networking(TSN)機能の統合により、インダストリー4.0向けに標準化された産業用リアルタイム・イーサネット・ネットワークを実現

先進コネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXP Semiconductors N.V.は、IEEE 802.1標準に基づくTime-Sensitive Networking(TSN)に対応する最新のQorIQ® Layerscape(コア・アイキュー レイヤースケープ)SoCである「LS1028A」を発表しました。

産業機器メーカーはインダストリー4.0向けソリューションを設計する際に、オペレーショナル・テクノロジー(OT)の領域と自社のインフォメーション・テクノロジー(IT)インフラを融合させる必要があります。しかし、OTネットワークが必要とするのは、現在のITネットワークで使用されている一般的なベストエフォートのアプローチではなく、保証されたタイムリーなパケット配信です。同時に、OTの領域における現在の技術は10~100Mbpsに限られている場合が多く、製造に使用されてきている高解像度ビデオなどの新技術に対応した帯域幅を備えていません。Time-Sensitive Networkingは従来のIT機器とOT機器を同一ネットワーク上でサポートし、ネットワークの展開と管理を簡素化しながらギガビット帯域幅の利用を可能にします。

産業用アプリケーション向けのDeterministic Ethernetを提供するため、IEEEはリアルタイムで信頼性の高いネットワーキングをサポートするTSNを定義しました。TSNはユビキタス・ネットワーキング技術としてイーサネットの次代の進化を示すもので、TSN対応イーサネットはIoTとインダストリー4.0革命で重要な役割を果たすことになります。GEは2020年までに産業用インターネット市場規模が2,250億ドルに達すると予測しています。注1

NXPのLayerscape LS1028Aプロセッサは、64ビットARM® Cortex v8プロセッサ・コアを採用し、3D GPU、LCDコントローラ、4ポートのTSNスイッチ、2系統のTSNイーサネット・コントローラなどを統合しています。Time-Sensitive NetworkingとGPUの組み合わせにより、産業用ヒューマン・マシン・インターフェースや制御アプリケーションへの対応が可能になります。LS1028AはNXPのトラスト・アーキテクチャに基づいており、セキュアなアプリケーションとサービスを可能にするセキュリティの基本機能を提供します。この製品はTSNブリッジング・アプリケーションとTSNエンドポイント・アプリケーションのいずれもサポートします。また、15年間の供給体制が確保される長期製品供給プログラムの対象となる予定です。

NXPのデジタル・ネットワーキング担当バイス・プレジデントのNoy Kucukは「TSNはインダストリアルIoTとインダストリー4.0の基礎であり、インフォメーション・テクノロジーとオペレーショナル・テクノロジーの各ネットワークの融合を可能にします」と述べ、さらに「NXPの長年にわたる産業分野での経験に基づいて開発されたLS1028Aは、プロセッシング、コネクティビティ、低消費電力設計の重要な課題を解決します」と語りました。

迅速な製品化を可能にする堅牢なリファレンス・デザイン・プラットフォーム
機器メーカーはNXPのTSNリファレンス・デザイン・プラットフォームを使用して、TSN対応システムの開発をすぐに開始でき、次世代産業用ソリューションのプロトタイプ製作と展開を加速できます。このリファレンス・デザインはNXPのLayerscapeプロセッサのプロセッシング機能とセキュリティ機能を組み合わせており、4つのTSNポートを備えたギガビット・イーサネット・スイッチを搭載します。またこのプラットフォームには、リアルタイム性能を備えたオープンソースの産業用Linux SDK、TSN設定サポート、IEEE 1588 PTP(Precision Time Protocol)が用意されています。開発者はSDKに含まれる設定ソフトウェアを使用することで、TSNのtime-aware shapingとper-stream policingの利点をすぐに享受できます。このリファレンス・デザインをもとに作成されたアプリケーションは、標準のAPIを介してLS1028A SoCでも利用できます。

供給

  • LS1028Aの詳細はこちらをご覧になるか、NXPの営業担当者にお問い合わせください。
  • NXP TSNリファレンス・デザイン・プラットフォームはEmbedded World 2017のNXPブースでデモが実施され、現在供給中です。詳細はこちらをご覧ください。

注1:https://www.ge.com/digital/blog/everything-you-need-know-about-industrial-internet-things

NXP Semiconductorsについて
NXP Semiconductorsは、よりスマートな世界を実現するセキュア・コネクションとセキュア・インフラを可能にし、人々の生活をより便利に、より良く、より安全にするソリューションを推進しています。組み込みアプリケーション向けのセキュアなコネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXPは、セキュアなコネクテッド・ビークル、エンド・ツー・エンドのセキュリティ/プライバシー、スマートなコネクテッド・ソリューションの市場における技術革新をけん引しています。60年以上にわたって蓄積した経験と技術を活かし、NXPでは世界33か国強で3万1,000名の従業員が活動しています。2016年の売上高は95億米ドルでした。詳細はWebサイトhttp://www.nxp.com/jp/(日本語)をご覧ください。

NXPジャパンはNXP Semiconductorsが開発および製造する車載、認証、インフラ/産業機器、コンシューマ向けのハイパフォーマンス・ミックスドシグナル製品やプロセッシング・ソリューション、高出力RF製品などを日本市場に提供しています。本社は東京都渋谷区で、大阪および名古屋に営業所があります。

NXP、NXPロゴ、LayerscapeはNXP B.Vの商標です。他の製品名、サービス名は、それぞれの所有者の商標です。ARMはARM Ltd.またはEU/その他の地域における子会社の登録商標です。All rights reserved. © 2017 NXP B.V.

リリース日

2017年3月22日

お問い合わせ

伊藤 利恵
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