顕著な人権課題

リスク・アセスメント、主要ステークホルダーとの連携、監査プログラムの結果などを通じて顕著な人権課題を把握することは、NXPおよびサプライ・チェーン内における重大な労働と人権の課題の特定に貢献します。

  • 強制労働および債務拘束労働

    NXPと弊社のビジネス・パートナーは、いかなる形態の人権侵害にも関与しません。NXPでは、アセスメントを通じて、手数料、書類の保持、パンデミック時における脆弱な労働者の公正な扱いを、強制労働および債務拘束労働に関する顕著な課題として特定しました。

  • 労働時間および休日

    • 明確なポリシーにより、1週間の労働時間が60時間または法定労働時間(いずれか短い方)を超過することがないよう管理および制限されており、すべての時間外労働は強制ではありません
    • ポリシーを確認および管理できる記録システムと体制が構築されています
    • 1週間の通常勤務が48時間を超過することや、1日の予定労働時間が12時間を超過することはできません
  • 年少労働者

    • 「児童」とは、15歳未満または当該国における就業最低年齢のいずれか高い方の年齢の者をいいます
    • 児童労働に関する包括的なポリシーにより、就業最低年齢が明確に定められています
    • 包括的なポリシーにより、18歳未満の年少労働者が夜勤や時間外労働など健康や安全が脅かされるような労働に就くことを禁止しています
  • 明確な契約

    • 雇用契約は、関連法に違反したり、労働者を危険にさらすものであってはなりません
    • 勤務地への出発または雇用開始よりも前に、労働者に対して、業務内容、賃金、福利厚生および契約期間などの詳細な労働条件が記載された書面による明確な雇用契約書が提供されています
    • 雇用契約書は労働者が理解できる言語で作成されています。雇用開始前に変更が加えられる場合は、同等以上の雇用条件が提供されなければなりません
  • 適正賃金

    • 労働者の賃金は、すべての通常勤務時間に対して法定最低賃金を下回ることはありません。法定最低賃金が設定されていない場合は、業界における一般的な賃金が基準となります
    • 時間外労働による割増賃金は、法律または雇用契約で定められた基本賃金のうち高い方が適用されます。(法律で言及されていない場合、割増賃金として、出来高払いや時給労働の基本賃金に対して時間当たり50%以上、または平均収入に対して時間当たり50%が上乗せされます)

顕著な人権課題のアセスメント

2021年におけるNXPの実績 2021年におけるサプライ・チェーンの実績
強制労働および債務拘束労働
斡旋手数料の禁止 チームメンバーによる手数料の支払いはありませんでした。 2021年に監査対象となったサプライヤ9社のうち、4社が雇用手数料を請求していたことが判明しました。1社を除き、すべてのサプライヤがこれらの手数料を返還しています。残り1つの不適合を解決するための対話が進行中です。
書類の保持 身元書類はチームメンバーによって保持されています。 1社のサプライヤが身元書類を労働者に未返却であり、この問題の解決に向けた対話が進行中です。
パンデミック時における脆弱な労働者の公正な扱い NXPは、マレーシアの拠点でネパールからの移住労働者16人を雇用しました。これらの労働者は、パンデミックが原因で工場を閉鎖した雇用主から雇い入れました。労働者は元の雇用主に斡旋関連手数料を支払っていました。元の雇用主に接触して手数料の払い戻しを促したものの実現に至らず、NXPが労働者に直接返還しました。 多くのサプライヤ監査が再開されたため、NXPが従業員に聞き取りを行い、パンデミック時のウェルビーイングを把握することが可能になりました。深刻な問題は報告されませんでしたが、NXPでは、労働者が彼らの権利への懸念や影響を匿名で報告できる電話回線を用意しています。
労働時間および休日 1つの拠点において、約180名のチームメンバー、すなわち直接雇用従業員の6%について、2週間の時間外労働が上限の60時間を超えていました。これは、労働力不足、外国人移住労働者の雇用の課題、国境の閉鎖によるものでした。 監査を受けたサプライヤの83%が、労働時間と休日を監視していませんでした。1社のサプライヤがこの不適合をまだ解消していません。
年少労働者 児童労働は一切ありませんでした。すべての年少労働者は関連法や規制に従っています。 児童労働に関する不適合は見つかりませんでした。すべての年少労働者は関連法や規制に従っています。
明確な契約 すべてのチームメンバーに対し、母国語での明確な契約書が発行されました。 監査を受けたサプライヤの50%に不明確な契約が存在していました。すべてのサプライヤがこの不適合を解消しています。
適正賃金 賃金や手当に相違はありませんでした。 監査を受けたサプライヤの83%に賃金と福利厚生の相違がありました。すべてのサプライヤがこの不適合を解消しています。

デュー・デリジェンス

NXPでは、人権への負の影響を防止および軽減するために、内部および外部ソースからのインプットを活用して人権侵害の防止に努めています。デュー・デリジェンス・プロセスの各要素に関して、多くのソースからの情報を収集する手順を踏んだうえで、戦略、プロセス、ツールを活用してインプットの対応および分析を行っています。

国連のビジネスと人権に関する指導原則の4つの各要素が、望ましい成果を生み出すために弊社の戦略、プロセス、およびツールにインプットされています。人権に関するデュー・デリジェンス・プロセス